子どもが不登校になると、

「今はそっとしておいた方がいいのかな」
「でも、このまま何も言わなかったら、ずっと学校に行かなくなるのでは……」
と迷うことがあると思います。
声をかければプレッシャーになりそう。
でも、何も言わないのも心配。
親御さんにとって、この距離感は本当に難しいところですよね。

私は、不登校の子どもを「ほっといていいか」という問いに、単純に「はい」「いいえ」で答えるのは難しいと思っています。
大切なのは、「放置する」のではなく、その子の状態を見ながら、必要なところでは支えることです。
私自身も不登校を経験していますが、学校については触れてほしくない時期がありました。
でも、だからといって「自分のことまでほっといてほしい」と思っていたわけではありません。
この記事では、元不登校当事者としての経験と臨床心理士としての視点から、「見守る」と「放置する」の違いや、親御さんがどのくらいの距離で関わればいいのかを一緒に考えていきます。
- 不登校の中学生をほっといていいのか
- 「見守る」と「放置する」の違い
- 見守る期間をどう考えればいいのか
- 親ができる関わり方
- 元不登校当事者だった私が感じていたこと
不登校の中学生はほっといていい?

不登校の子どもに対して、学校へ行くことを無理に促したり、必要以上に干渉したりする必要はないと思います。
ただし、それは「何もせずに放っておけばいい」という意味ではありません。
不登校になったばかりの時期は、学校のことを考えるだけでも負担になっている子もいます。
そんなときに、「明日は行けそう?」「いつから学校に戻るの?」「勉強しなくて大丈夫?」と何度も聞かれると、それ自体がプレッシャーになることもあります。
だから、学校について少し距離を置くことが必要な時期はあると思います。
一方で、子ども自身が困っていることまで「本人の問題だから」と任せてしまうのは、少し違います。

本人の意思は尊重する。でも、まだ一人では難しいところには手を貸す。
私は、このくらいの距離感が一つの目安になるのではないかと思っています。
「見守る期間」は何日・何か月と決めなくていい
「どのくらい見守ればいいですか?」という疑問を持つ親御さんもいると思います。
でも、私は「○週間」「○か月」と一律に決めるのは難しいと思っています。
子どもの状態は、それぞれ違うからです。
また、同じ子でもずっと同じ状態が続くわけではありません。
昨日は何もしたくなかったけれど、今日は少し家族と話せた。
以前は外に出られなかったけれど、最近は少し出かけられるようになった。
逆に、一度できるようになったことが、また難しくなることもあります。

だからこそ、「何か月見守ったか」よりも、「今、その子がどんな状態なのか」を見ていく方が大切だと思います。
「この対応を続ければ正解」というものを探しすぎず、そのときの子どもの状態を見ながら、少し距離を近づけたり、離したりしていく。
そのくらい柔軟でもいいのではないでしょうか。
「見守る」と「放置」は少し違う
「見守ってあげましょう」と言われても、「具体的に何をすればいいの?」と思いますよね。
私が考える「見守る」は、何もしないことではありません。
子どもの状態を見ながら、「ここは本人に任せられそう」「これはまだ手助けが必要そう」と考えていくことです。
たとえば、生活のことは自分でできても、学校との連絡や進路について調べることは、まだ負担が大きいかもしれません。
逆に、本人ができそうなことまで親が先回りして全部やってしまうと、今度は関わりすぎになってしまうこともあります。

だからこそ、
- できることは見守る
- まだ難しいことはサポートする
という考え方が大切だと思います。
学校のことを無理に聞き出さなくてもいい
子どもが学校の話を嫌がっているときは、無理に理由を聞き出さなくてもいいと思います。
本人にも、「どうして学校に行けないのかわからない」ということがあります。
そんなときに何度も理由を聞かれると、答えられないこと自体が負担になる場合もあります。
大切なのは、今すぐ理由を聞き出すことよりも、話せるようになったときに話せる関係を残しておくことだと思います。
学校の話をしないことと、子どもそのものに関心を持たないことは違います。

本人が話したくなったときに、「話してもいい」と思える関係でいられることが大切だと思います。
必要なところは大人が手助けする
学校との連絡、提出物、進路についての情報収集など、不登校の子どもにとって負担が大きいこともあります。
本人が難しそうなら、一時的に親が引き受けるのも一つの方法です。
一方で、本人ができそうなことまで全部代わりにする必要はありません。
「今、この子はどこまでできそうかな?」と、その都度考えていけばいいのだと思います。

親が全部決めるのでもなく、すべて本人任せにするのでもない。
その間を探していくイメージです。
「どうしたい?」と本人の気持ちを聞いてみる
「何も言わない方がいい」と考えすぎる必要もないと思います。
必要なときには、「これからどうしたい?」「今、困っていることある?」「何か手伝ってほしいことある?」と聞いてみてもいいのではないでしょうか。
大切なのは、答えを親が決めてしまわないことです。
「学校に戻った方がいいよ」と結論を押しつけるのではなく、本人がどう考えているのかを知るために話す。
そんな会話なら、子どもにとっても受け取り方が変わってくると思います。
私が不登校だったとき、親はほとんど何も言いませんでした

ここからは、少し私自身の話をします。
私が不登校だった頃、親から「学校に行きなさい」と言われた記憶はほとんどありません。
学校に関する話そのものに抵抗があったので、学校についてあれこれ聞かれなかったことは、私にとってよかったのだと思います。
でも、だからといって、「私のことをほっといてほしい」と思っていたわけではありませんでした。

ここは今振り返ってみても、少し違うんですよね。
学校のことには触れてほしくない。
でも、自分自身には関心を持っていてほしい。
当時はそんな感覚だったのだと思います。
親は表立って何かを言ってくることは少なかったものの、学校との連絡はほとんどすべてやってくれていました。
私は学校や先生と直接やり取りすることがほとんどなく、今振り返ると、見えないところでいろいろ動いてくれていたのだと思います。
私の場合は、そうやって、「学校のことを無理に言わない部分」と「必要なことは代わりに支えてくれる部分」があったことが助けになっていました。
もちろん、これはあくまで私の場合です。
すべての子が同じ距離感を心地よく感じるわけではありません。
ただ、「学校の話をしない」ことと、「子どもそのものを放っておく」ことは違うということは、元当事者として伝えたいことのひとつです。
「このままずっと学校に行かなかったら」と不安になるとき
何も言わずに見守っていると、「本当にこれでいいのかな」「このまま何年も学校に行かなかったらどうしよう」と不安になることもあると思います。
親御さんが先のことを心配するのは、とても自然なことです。
だから、「心配してはいけない」と思う必要はありません。
ただ、その不安から子どもを急かしてしまうと、親子ともにつらくなってしまうことがあります。
今すぐ学校に戻れるかどうかだけではなく、「今、この子にできることは何だろう」「今は何を手伝った方がいいだろう」と、少し小さな単位で考えてみるのもひとつです。
不登校の子どもの状態は、ずっと同じではありません。
昨日はできなかったことができるようになることもあれば、一度できていたことが難しくなることもあります。

だからこそ、そのときの状態を見ながら関わり方を変えていけばいいのだと思います。
親も自分らしく過ごしていい
子どもが不登校になると、どうしても生活の中心が子どもになりやすいと思います。

「今日は元気かな」
「勉強していないけど大丈夫かな」
「高校には行けるのかな」
と考え始めると、きりがありません。
でも、親子であっても別の人間です。

子どものことを大切にしながら、親御さん自身の生活も大切にしていいと私は思っています。
好きなことをしたり、仕事をしたり、誰かと話したり。
親が自分らしく過ごしていることも、悪いことではありません。
ずっと子どもの様子を見続けることだけが「見守る」ではないのだと思います。
まとめ|ほっとくのではなく、その子に必要な距離で見守る

不登校の中学生を見守ることは、「何も言わず、何もしない」ということではありません。
学校について距離を置いた方がいい時期もあります。
一方で、本人がまだ一人では難しいことには、大人の助けが必要な場合もあります。
そして、見守る期間を「○か月」と一律に決める必要もないと思います。
大切なのは、
今、その子がどんな状態なのか。
どこまで自分でできそうなのか。
どこに手助けが必要なのか。
を見ながら、親子の距離を調整していくことです。

「学校のことには触れてほしくない。でも、自分のことまでほっといてほしいわけではない」
私自身、不登校だった頃にはそんな感覚がありました。
見守ることと放置することは違います。
その子に必要な距離を探しながら、親御さん自身の生活も大切にしていけたらいいのではないでしょうか。
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この記事を書いた人
Karan|臨床心理士/元不登校・発達障害当事者
自身も不登校を経験し、現在は臨床心理士として子どもや保護者の支援に携わっています。
専門的な知識だけではなく、当事者だったからこそ感じることも大切にしながら、不登校の子どもと家族が「自分らしく」歩いていくためのヒントを発信しています。


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