不登校の子どもが中学生になると

「何かさせた方がいいのかな」
「ゲームやスマホばかりで大丈夫?」
「勉強はさせた方がいい?」
「高校進学のことも考えた方がいいのでは」
と、親御さんは不安になりやすいと思います。
中学生になると、勉強や進路のことが少しずつ現実的になってくるため、「家にいるなら何かさせなければ」と焦ってしまうこともあるかもしれません。
でも、不登校の子どもに必要なことは、その時の状態によって変わります。
まずは休むことが必要な時期もあれば、少し元気が戻ってきて、好きなことや外出、勉強などに少しずつ興味が向いてくることもあります。

大切なのは、「何をさせるか」を先に決めることではなく、今その子がどんな状態なのかを見ながら、できそうなことを一緒に探していくことです。
この記事では、不登校の中学生に家で何をさせればいいのか迷っている親御さんに向けて、休む時期・好きなこと・勉強・ゲームやスマホとの付き合い方など、状態に合わせた考え方をお伝えします。
- 不登校の中学生にまず必要なこと
- 家で何をさせればいいのか
- 勉強は無理にさせた方がいいのか
- ゲームやスマホばかりのときの考え方
- 元気が戻ってきたときにできること
- 親が意識しておきたい関わり方
不登校の中学生に「何かさせた方がいい」と焦る理由

不登校の子どもが中学生になると、「勉強が遅れてしまうのでは」「高校進学は大丈夫かな」「ずっと家にいて、このままでいいのかな」
と、親御さんも焦りやすくなると思います。
小学生の頃よりも進路が身近になり、「今のうちに何かさせなければ」と感じることもあるかもしれません。
でも、焦って勉強や外出を始めさせても、本人がまだ動ける状態ではなければ負担になってしまうことがあります。

まずは「中学生だから何かをしなければ」と考えるよりも、今の本人がどのくらい心身の余裕を取り戻しているのかを見ることが大切だと思います。
まずは休むことが必要なときもある
不登校の中学生が家にいると、「何かさせた方がいいのでは?」と心配になると思います。
でも、まず必要なのは「何かをすること」ではなく、休むことかもしれません。
学校に行けなくなったばかりの時期や、気持ちがかなり疲れているときは、何かを頑張ろうと思える状態ではないこともあります。
寝ていたり、ぼーっと過ごしたり、好きなことだけをして過ごしたりする時間が必要なこともあります。
周りから見ると「何もしていない」ように見えても、本人にとっては心や体を休ませるために必要な時間かもしれません。
元気が少し戻ってきたら、好きなことから
少しずつ元気が戻ってきたら、本人が好きなことや興味のあることから始めてもいいと思います。
ゲームをしたり、動画を見たり、音楽を聴いたり、推し活をしたり。
家族と話したり、料理や家事を少し手伝ったりすることもあるかもしれません。
大切なのは、「役に立つことをさせる」ことよりも、本人が少しでも楽しめたり、「やってみたい」と思えたりするものがあるかを見ることです。
本人の様子を見ながら、「何かやってみたいことある?」「手伝ってほしいことある?」と聞いてみるのもいいと思います。
そして、まだ何もしたくなさそうなら、少し待ってみる。

その子なりのペースがあることを忘れずにいたいですね。
勉強は無理にさせなくてもいい?
中学生になると、特に気になるのが勉強だと思います。
学校を休んでいる期間が長くなるほど、「授業についていけなくなるのでは」「高校受験に間に合わなくなるのでは」と心配になることもありますよね。
ただ、本人がかなり疲れている時期に勉強を強く求めても、なかなか取り組めないことがあります。
まずは休むことを優先し、少し余裕が出てきたら、「少しだけやってみる?」「気になる教科はある?」と、本人の様子を見ながら考えていく方法もあります。
勉強をするかどうかだけではなく、本人が「少しやってみようかな」と思える状態になっているかを見ることも大切です。
ゲームやスマホばかりのときは?
家でゲームやスマホばかりしていると、「何か別のことをさせた方がいいのでは」と思うこともあるかもしれません。
ですが、ゲームやスマホが、本人にとって気持ちを落ち着けたり、好きなことを楽しんだりする時間になっていることもあります。

すぐに取り上げるかどうかを考えるのではなく、まずはその子にとってゲームやスマホがどんな役割になっているのかを見てみることも大切です。
ゲームとの付き合い方については、こちらの記事で詳しくまとめています。
関連記事:不登校の子がゲームばかり…取り上げるべき?親の対応とルールの考え方

昼夜逆転しているときは、生活リズムだけを急いで直そうとしない
不登校になると、朝起きられなくなったり、昼まで寝ていたり、夜になると元気になったりすることがあります。
中学生になると、親御さんとしては「このままだと学校に戻れないのでは」「生活リズムだけでも整えた方がいいのでは」と心配になることもあると思います。
もちろん、生活リズムは心身の状態にも関わります。
ただ、本人がまだ疲れている時期に、生活リズムだけを無理に戻そうとすると負担になることもあります。

まずは「なぜ今この生活になっているのか」を見ながら考えていくことが大切です。
昼夜逆転については、こちらの記事で詳しくまとめています。
☀️関連記事:不登校の昼夜逆転は放っておいていい?原因と生活リズムの整え方

私が不登校だった頃の家での過ごし方

私自身も、不登校だった頃はテレビを見たり、スマホを見たり、昼寝をしたり、推し活をしたりして過ごしていました。
自分のペースで過ごせることは楽でした。
でも同時に、学校に行っていないことへの不安も抱えていました。
外から見ると、家で好きなことをして自由に過ごしているように見えるかもしれません。
ですが、本人の中では学校のことや将来のこと、周りとの違いなど、いろいろなことを考えている場合もあります。

だからこそ、家で好きなことをしている子どもを見て、「何も考えていない」と決めつけないでほしいなと思います。
家で自由に過ごしていることと、心の中まで気楽であることは、必ずしも同じではありません。
これは、私自身の経験からも感じていることです。
少し余裕が出てきたら、できることを少しずつ増やす
少し元気が戻ってきたら、生活の中でできることを少しずつ増やしていけばいいと思います。
たとえば、
- 家族と一緒に買い物に行く
- 好きなものを食べに行く
- 家事を少し手伝う
- 気が向いたときに勉強する
- 興味のあることを調べてみる
- 外に出て少し散歩してみる
など、その子が負担なくできそうなことから始める方法もあります。
無理に予定をたくさん作る必要はありません。

「今日はこれができた」という小さな経験を積み重ねながら、その子自身のペースで世界を広げていけばいいと思います。
高校進学のことが気になるときは
中学生になると、高校進学のことも気になってくると思います。
「今から動かないと間に合わないのでは」「不登校でも高校に進学できるのかな」と不安になる親御さんもいるかもしれません。
ただ、進路のことは、本人の状態を見ながら少しずつ考えていけば大丈夫です。
全日制高校だけでなく、通信制高校や定時制高校など、進路の選択肢はいくつかあります。
今すぐ答えを出すことよりも、本人が少しずつ将来について考えられる状態になっているかを見ることが大切です。

親御さんだけで焦って決めるのではなく、本人の気持ちを聞きながら、一緒に選択肢を探していけたらいいと思います。
親ができるのは「何かさせること」だけではない
子どもが家にいると、「親として何かしなければ」と思うこともあると思います。
でも、親ができることは、何かをさせることだけではありません。
- 話したそうなときに話を聞く。
- 好きなことをしている時間を邪魔しすぎない。
- 少し元気が出てきたときに、一緒にできそうなことを探す。
- 困っていそうなときに、必要な情報を一緒に調べる。
そうした関わりも、十分に大切だと思います。

本人の様子を見ながら、「何かやってみたいことある?」「手伝ってほしいことある?」と聞いてみるのもいいと思います。
「何をさせるか」より、今できることを一緒に探す
不登校の中学生が家にいると、「何かさせた方がいいのでは?」と考えてしまうのは自然なことだと思います。
まずは休む。
元気が少し戻ってきたら、好きなことをする。
もう少し余裕が出てきたら、生活や外出、勉強などへ少しずつ広げていく。
そんなふうに、その子の状態に合わせてできることを増やしていけばいいと私は思っています。
大切なのは、学校や周りの子のペースに合わせることではありません。
今その子がどんな状態なのかを見ながら、一緒に次の一歩を探していくことです。
まとめ|「何をさせるか」より、今できることを一緒に探す
不登校の中学生に何をさせればいいのか、ひとつの正解があるわけではありません。
まずは休むことが必要な時期もあります。
少し元気が戻ってきたら、好きなことを楽しむ。
さらに余裕が出てきたら、外出や家事、勉強など、その子ができそうなことを少しずつ増やしていく。

大切なのは、「何をさせるか」を先に決めるのではなく、本人の状態を見ながら、今できそうなことを一緒に探していくことだと思います。
学校や周りの子のペースではなく、その子自身のペースを見ながら考えていけたらいいですね。
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この記事を書いた人
Karan|臨床心理士/元不登校・発達障害当事者
自身も不登校を経験し、現在は臨床心理士として子どもや保護者の支援に携わっています。
専門的な知識だけではなく、当事者だったからこそ感じることも大切にしながら、不登校の子どもと家族が「自分らしく」歩いていくためのヒントを発信しています。



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