不登校になってから、子どもがずっとスマホを見ている。
動画やSNSばかりで一日が終わってしまうと、

「スマホを取り上げた方がいい?」
「時間を制限した方がいいのかな」
と心配になりますよね。
学校に行かず、勉強もせずにスマホを見ていると、親として何かした方がいいのでは……と焦ることもあると思います。

ただ、私は長時間使っているという理由だけで、すぐにスマホを取り上げる必要があるとは限らないと考えています。
まず見てほしいのは、「この子は、スマホで何をしているんだろう?」ということです。
その背景によって、必要な対応も変わってきます。
この記事では、元不登校当事者・臨床心理士としての経験も交えながら、不登校の子どものスマホを取り上げるべきなのか、家庭でのルールをどう考えるのか、どんなときに相談を考えたらいいのかをお話しします。
- 不登校の子のスマホを取り上げる前に考えたいこと
- スマホばかりになる背景
- スマホを制限するときのルールの考え方
- 家庭だけでは対応が難しいときの目安
不登校の子のスマホはすぐに取り上げなくてもいい

「不登校なのに、一日中スマホを見ている」
その姿だけを見ると、スマホを取り上げたくなることもあると思います。

でも、不登校だから、長時間使っているからという理由だけで、一律に取り上げる必要はないと私は考えています。
今の子どもたちにとって、スマホやインターネットはとても身近なものです。
動画を見るだけでなく、ゲームをしたり、友達と連絡を取ったり、SNSで人と交流したり。
いろいろな使い方があります。
だから、「何時間使ったか」だけでは、その子にとってスマホがどんな意味を持っているのかまではわかりません。
もちろん、生活に大きな影響が出ている場合は別です。
ただ、まずはスマホを減らすことより、その子の生活全体を見ることから始めてもいいと思います。
不登校の子がスマホばかりになるのはなぜ?
学校に行かなくなると、それまで学校で過ごしていた時間が空きます。
その時間にスマホを見るようになれば、以前より使用時間が増えるのは不思議なことではありません。
ただ、理由は「暇だから」だけとも限りません。
たとえば、
- 暇な時間を過ごすため
- 動画やSNSを楽しむため
- 学校や嫌なことを考えずに済むため
- 友達や知り合いとつながるため
- 気持ちを落ち着かせるため
など、いろいろな背景が考えられます。
特に不登校になって外との接点が減っている子にとっては、スマホが人とつながる手段になっていることもあります。
そのため、「スマホばかり見ているから取り上げよう」と考える前に、「この子はスマホで何をしているのかな」と少し見てみることが大切だと思います。
私にとって動画やSNSは、暇つぶしだけではありませんでした
私が不登校だったころは、今ほどスマホが主流ではありませんでした。
暇なときには動画を見ていましたし、昼間はテレビがずっとついていることもありました。
親から時間を制限されたり、取り上げられたりした記憶はありません。
動画を見るのは、単純に楽しかったですし、暇つぶしでもありました。

でも今振り返ると、学校や自分の状況について考えずに済む、現実から少し離れるための時間でもあったのかもしれません。
高校生以降になると、SNSを通して人間関係を作ることもありました。
学校に行っていないと、同年代の人と実際に会って関わる機会は少なくなります。
そんな私にとって、SNSは人とつながる場所の一つでもありました。
もちろん、これは私の場合です。
ただ、スマホの中にその子なりの楽しみや人とのつながりがある場合、取り上げることは単に画面を見る時間を減らすだけではないこともあります。
そこは少し意識しておいてもいいのではないでしょうか。
スマホを制限するなら、親子でルールを考えてみる
では、スマホを好きなだけ使わせればいいのかというと、そうとも限りません。
生活への影響が気になることもありますし、「食事中は使わないでほしい」「夜はこの時間までにしてほしい」など、家庭として大切にしたいこともあると思います。
そんなときは、できる範囲で本人と話し合ってルールを作る方法があります。
たとえば、
- 「夜は何時までならできそう?」
- 「寝るときはスマホをどうする?」
- 「食事の時間だけは置いておかない?」
など、お互いの希望を出してみます。
ここで大切にしたいのは、ルールを作ること自体が目的にならないことです。
子どもの状態によっては、決めたことを守るのが難しい時期もあります。
一度決めて終わりではなく、「今のルールは続けられそう?」「少し変えた方がいい?」と見直してもいいと思います。
一方で、家庭としてどうしても譲れないことがあるなら、それも伝えていい。

親が一方的に決めるのでも、子どもの希望をすべて受け入れるのでもなく、お互いにどこなら折り合えるかを探していくイメージです。
「スマホ依存かも」と心配なときは生活全体を見る
長時間スマホを使っていると、「依存しているのでは?」と不安になることもあると思います。
ただ、使用時間だけを見て判断するのは難しいところです。
それよりも、
- 食事や睡眠など日常生活に大きな影響が出ている
- スマホ以外の活動がほとんどできなくなっている
- 本人自身もやめたいのにやめられず困っている
- スマホをめぐって家族との激しい衝突が続いている
- 取り上げられることに過剰な反応を示す
など、生活全体にどのくらい影響しているかを見ていく方が大切です。
「スマホを何時間使ったか」だけではなく、「その子が今どんな生活をしているか」を見てみる。
それでも家族だけではどうしたらいいかわからない、対応しきれないと感じる場合は、外部に相談することも選択肢です。
学校の相談窓口や自治体の相談機関、必要に応じて医療機関などにつなげる方法もあります。
親御さんだけで何とかし続ける必要はありません。
まとめ|スマホを取り上げるかより、まずその子の背景を見る

不登校の子どもがスマホばかり見ていると、「取り上げた方がいいのかな」と心配になると思います。
でも、スマホを使う理由は子どもによって違います。
暇つぶしや楽しみだけでなく、嫌なことから少し離れる時間や、人とのつながりになっていることもあります。
だから、まずは、「この子にとって、今のスマホはどんな存在なんだろう」と考えてみる。
生活への影響が気になるなら、本人と相談しながら家庭のルールを考えてみる。
それでも対応が難しいほど生活に影響が出ているなら、家庭だけで抱えず相談先を探してみる。

親「取り上げる」か「自由にさせる」かの二択ではなく、その子の状態と家庭の考え方に合わせて、ちょうどいい付き合い方を探していければいいのではないでしょうか。
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運営者プロフィール
管理人:Karan(臨床心理士/発達障害・元不登校当事者)
自身も中学生のころに不登校を経験しました。
現在は臨床心理士として、不登校や発達に関する相談に携わっています。
「ありのまま日和」では、専門的な知識だけでなく、当事者だったからこそ感じることも大切にしながら、不登校の子どもと家族が「自分らしく」歩いていくためのヒントを発信しています。



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