不登校になると、

「家ではどう過ごさせたらいいんだろう」
「ずっとゲームやスマホをしていて大丈夫?」
「少しは勉強させた方がいいのかな」
と、不安になる親御さんも多いと思います。
ですが、不登校の子どもの家での過ごし方に、「これをすれば正解」というものはありません。
学校に行けなくなったばかりで疲れている時期と、少し元気が戻ってきた時期では、必要な過ごし方も違います。
大切なのは、「何をさせるか」を急いで決めることより、今その子がどんな状態なのかを見ながら過ごし方を考えていくことです。

臨床心理士として子どもたちと関わるようになった今も、「何をしているか」だけではなく、「今どんな状態で過ごしているか」を見ることが大切だと感じています。
この記事では、不登校の子どもの状態に合わせた家での過ごし方と、親御さんが意識しておきたいことについてお話しします。
- 不登校になったばかりの時期の過ごし方
- 少し元気が戻ってきたときにできること
- ゲームや昼夜逆転との付き合い方
- 子どもの変化を見るときのポイント
- 家で過ごす子どもに親ができること
不登校の子どもは家でどう過ごせばいい?
不登校の子どもを見ていると、「何かさせた方がいいのでは」「このまま何もしなくて大丈夫なのかな」と心配になることもあると思います。
ですが、家でどう過ごすかは、その子の状態によって変わります。
今は何もできず休むことが必要な子もいれば、好きなことを楽しめるようになってきている子もいます。
少しずつ外のことや勉強、進路に興味が向いてくる子もいます。

周りの子と同じように過ごせているかを見るのではなく、今のその子に合った過ごし方を探していくことが大切だと思います。
私が不登校だったときの家での過ごし方

私自身を振り返ってみても、不登校だった期間ずっと同じように過ごしていたわけではありません。
メンタルがかなり落ちているときは、寝ていたり、特に何もせずに過ごしたりすることが多かったと思います。
何かを頑張ろうという状態ではありませんでした。
少しずつ気持ちが安定してくると、好きなものを見たり、自分の好きなことをしたりするようになりました。
塾の宿題をすることもありました。
私にとって家で過ごす時間のよかったところは、自分のペースで過ごせたことだったと思います。
一方で、家にいるからといって、何の不安もなくのんびり過ごしていたわけではありません。
学校のことを考えるのは嫌でしたし、学校に行っていないことや家にいることについて何か言われるのも嫌でした。
外から見ると「自由に過ごしている」ように見えても、本人の中では、学校や将来、周りとの違いなど、いろいろなことを考えている場合もあります。

家で自由に過ごしていることと、心の中まで気楽であることは、必ずしも同じではありません。
これは、私自身の経験からも感じていることです。
不登校になったばかりの頃は、まず休むことも大切
学校に行けなくなったばかりの頃は、本人が思っている以上に疲れていることがあります。
朝なかなか起きられなかったり、昼まで寝ていたり、何もしたがらなかったりすることもあるかもしれません。
親御さんからすると、「家にいるなら勉強くらいしてほしい」「生活リズムだけでも整えてほしい」と思うこともあると思います。
ですが、まずは安心して休める時間が必要な場合もあります。
何かを始めさせることよりも、「家では安心して過ごせる」と感じられることを優先してもいい時期があります。
少し落ち着いてきたら、好きなことから始めてもいい
少しずつ気持ちが落ち着いてくると、好きなことを楽しめるようになることがあります。
ゲームをしたり、動画を見たり、音楽を聴いたり、本を読んだり。
家族と話す時間が増えたり、料理や家事に興味を持ったりすることもあるでしょう。
このとき大切なのは、「何か役に立つことをさせなければ」と考えすぎないことです。
本人が「やってみたい」と思えることや、自然に楽しめるものがあるなら、それも大切な過ごし方の一つだと思います。
ゲームばかりしているときは?
不登校になってからゲームをする時間が増えると、「取り上げた方がいいのかな」「依存してしまわないかな」と心配になる親御さんもいると思います。
ですが、ゲームがその子にとって気持ちを落ち着ける時間だったり、人とつながるきっかけになっていたりすることもあります。

「ゲームをしている=悪い」と決めつけるのではなく、その子にとってゲームがどんな役割になっているのかを見ることも大切です。
ゲームとの付き合い方については、こちらの記事で詳しくまとめています。
🎮関連記事:不登校の子がゲームばかり…取り上げるべき?親の対応とルールの考え方

元気が戻ってきたら、少しずつ世界を広げていく
不登校からの変化は、ある日突然大きく起こるとは限りません。
少しずつ、「以前より穏やかに過ごせる日が増えた」「好きなものの話をするようになった」「家族との会話が少し増えた」「外のことに興味を示した」「これをやってみたいと言った」といった変化が見られることがあります。
こうした小さな変化も、その子が少しずつ自分の生活を取り戻しているサインの一つかもしれません。
本人が興味を持ち始めたら、散歩や外出、勉強、人との関わりなどを少しずつ広げていくこともできます。
ただし、焦って元の生活に戻そうとする必要はありません。
その子なりのペースで、次の一歩を探していけたらいいと思います。
昼夜逆転しているときは、生活リズムだけを急いで直そうとしない
不登校になると、昼まで寝ていたり、夜になると元気になったりすることがあります。
昼夜逆転している姿を見ると、「この生活を早く直さないと」と心配になるかもしれません。
もちろん、生活リズムは心身の状態にも関わります。
ですが、生活リズムだけを無理に戻そうとすると、本人にとって大きな負担になることもあります。

まずは、なぜ今この生活になっているのか、その背景も含めて見ていくことが大切です。
昼夜逆転については、こちらの記事で詳しくまとめています。
関連記事:不登校の昼夜逆転は放っておいていい?原因と生活リズムの整え方

「何をしているか」だけでなく、子どもの変化を見てみる
不登校になると、どうしても、「学校に行けた」「勉強できた」「朝起きられた」といった、分かりやすい変化に目が向きやすくなります。
ですが、変化はそれだけではありません。
以前より表情が柔らかくなった。
少し話してくれるようになった。
好きなことを楽しめるようになった。
そうした変化も、その子にとっては大切な一歩だと思います。
不登校だった私自身も、ある日突然すべてが変わったわけではありませんでした。

だからこそ、「学校に戻れるか」だけではなく、その子自身が少しずつ自分の生活を取り戻しているかを見ていくことも大切だと感じています。
中学生になると「何かさせた方がいい?」と焦りやすい
中学生になると、勉強の遅れや高校進学のことも気になってきます。
そのため、「家にいるなら何かさせた方がいいのでは」「そろそろ勉強を始めた方がいいのでは」と焦ることもあると思います。
ですが、中学生だからといって、すぐに何かをさせることが正解とは限りません。
まずは今の状態を見ながら、その子にできそうなことを一緒に考えていくことが大切です。
中学生の家での過ごし方については、こちらの記事で詳しくまとめています。
関連記事:不登校の中学生に何をさせる?家での過ごし方と親ができること

親も自分の生活を大切にしていい
子どもが不登校になると、親御さんも子どものことばかり考えてしまうことがあります。
「今何をしているかな」「このままで大丈夫かな」「何かできることはないかな」と、気持ちが子どもに向き続けてしまうこともあると思います。
ですが、親にも親の生活があります。
ずっと子どもを見続けていると、親御さん自身が疲れてしまいます。
お互いができるだけ無理をせず、自分らしく過ごせる距離を探していけたらいいのではないかと思います。
まとめ|その子の今の状態に合った家での過ごし方を

不登校の子どもの家での過ごし方に、「これをすれば正解」というものはありません。
何もできず休むことが必要なときもあれば、好きなことを楽しめるようになるときもあります。
そして少しずつ、勉強や人との関わり、進路などに関心が向いていくこともあります。
大切なのは、周りの子と比べて「何ができていないか」ばかりを見ることではなく、今のその子に何が必要なのかを考えていくことだと思います。
家で過ごす時間も、その子の人生の一部です。

焦って元の生活に戻そうとするだけではなく、その子なりのペースで、自分らしく次の一歩を探していく。
親御さんも自分の生活を大切にしながら、その歩みを見守っていけたらいいのではないかと思います🌷
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運営者プロフィール
管理人:Karan(臨床心理士/発達障害・元不登校当事者)
自身も不登校を経験し、現在は臨床心理士として医療・福祉・教育の現場で子どもたちと関わっています。
「ありのまま日和」では、不登校の子どもと家族が、それぞれ自分らしく歩いていくためのヒントをお届けしています。



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