中学生の子どもが不登校になると、

「このまま学校に行けなかったら、将来どうなるんだろう」
「高校や大学に進学できるのかな」
「大人になって、社会に出られるのかな」
と、先のことまで心配になる親御さんもいると思います。
私は中学生のときに不登校を経験し、全日制高校から通信制高校へ転校しました。
現在は臨床心理士として活動していますが、最初から自分に合った進路がわかっていたわけではありません。

今振り返ると、不登校だったことよりも、その後どのように自分と向き合い、進路を選んできたかが大切だったと感じています。
この記事では、不登校経験者のその後について、調査結果や私自身の経験を交えながらお話しします。
- 不登校経験者はその後どうなっているのか
- 不登校から進学・就職することはできるのか
- 私自身が不登校を経験して感じていること
- 子どもの将来が心配なときに親ができること
不登校のその後の人生はどうなる?

不登校になったからといって、その後の人生が決まるわけではありません。
学校に戻る子もいれば、別の学校で学び始める子もいます。
進学や就職をしたり、しばらく休みながら自分に合った道を探したりする人もいるでしょう。
文部科学省が2025年に公表した「不登校経験者等を対象とする調査」では、不登校を経験した人の中に、その後の学業や仕事、人との関わりに苦労したと感じている人がいることがわかりました。
一方で、不登校の経験を振り返り、自分自身の成長や、人の痛みを理解できるようになったことを感じている人もいました。
もちろん、これは不登校になれば成長できるという意味ではありません。
不登校の経験がその後の人生にどう影響するかは、一人ひとり違います。
進学や就職に苦労することもあれば、時間をかけて自分に合った環境を見つけていくこともあると思います。

今学校に行けていないことと、将来何もできなくなることは同じではありません。
私は、まずそのことを知っておいてほしいと思います。
参考:文部科学省「不登校経験者等を対象とする調査」(令和7年)
不登校でも進学や就職はできる?

「学校に行けていないのに、進学や就職なんてできるのかな」
そう感じる親御さんもいるかもしれません。
でも、不登校だったという理由だけで、すべての進路が閉ざされるわけではありません。
高校には全日制だけでなく、通信制や定時制などの選択肢があります。
高校卒業後に大学や専門学校へ進む人もいますし、高卒認定試験を利用して進学を目指す方法もあります。
また、働き方も一つではありません。
ただ、どの進路にも必要な条件や、その人にとっての難しさがあります。

だからこそ、周りと同じ道を目指すことだけが正解ではないと思っています。
例えば、毎日大人数のなかで過ごすことが負担になる子でも、別の学習環境なら力を発揮できるかもしれません。
反対に、自分のペースで学ぶことが苦手なら、誰かと一緒に学習を進められる環境が合う場合もあります。
大切なのは、どの進路が一般的かではなく、その子がどんな環境なら過ごしやすいのかを考えること。
高校の種類や受験については別の記事で詳しく紹介しているので、進路を具体的に考えたい方は、そちらも参考にしてみてください。
🌷 関連記事:不登校でも高校受験できる?中学生の親が知っておきたい受験と高校選び

元不登校の私が、その後の人生で感じたこと
ここからは、私自身の経験について少しお話しします。
進路は、そのときどきで考えてきた
私は不登校だった頃、将来についてそこまで深く考えていませんでした。
当時は、みんな全日制高校に進学するものだと思っていたので、自分も同じように通えると思っていました。
実際に全日制高校へ進学しましたが、その後、再び通えなくなりました。
通信制高校へ転校することになったのは、先生や親から勧められたことがきっかけです。
最初から自分に合った学校を選べていたわけではありません。
大学についても、漠然と行きたいと思っていたものの、具体的なことは時期が近づくにつれて考えていった感じです。
大学受験前には、12月後半にメンタルの調子を崩し、1月に入るまで勉強しなかった時期もありました。
進学したい気持ちがあっても、思いどおりに進められないことはあります。
それでも、そのときの自分にできることを考えながら、少しずつ進んできました。
不登校だったことを後悔している?
私は、不登校になったことをあまり後悔していません。
もちろん、学校で友達と過ごしたり、行事に参加したりするような、いわゆる青春には憧れがあります。
経験していないからこそ、羨ましく思う気持ちもあります。
でも、不登校になったことは、自分自身を知るきっかけにもなりました。
自分にはどんな特性があるのか。
どんな環境が苦手で、どんな生き方なら無理なく過ごせるのか。
そうしたことを振り返る機会になったんです。
もし、自分のことを知らないまま、周りと同じ進路や生き方だけを目指していたら、今のように自分に合った生活を送ることは難しかったかもしれません。
子どものうちだったからこそ、失敗したり、進路を選び直したりできた部分もあったと思います。
大人になってから初めて同じような壁にぶつかっていたら、もっと大変だったかもしれません。
だからといって、不登校になってよかったと、すべての人に言いたいわけではありません。
つらい経験を無理に前向きに考える必要もないと思っています。

ただ、私にとっては、不登校を経験したことが、自分らしい生き方を考えるきっかけになったのは確かです。
不登校だったことで、大人になって困ったことは?
私自身は、不登校だったことが、その後の人生で大きな不利になったとはあまり感じていません。
もちろん、周りの人と話が合わなかったり、わからないことがあったりした経験はあります。
ただ、それが不登校によるものなのか、もともとの発達特性によるものなのかは、はっきりわかりません。
何か困ったことがあったとき、すべてを「不登校だったから」と結びつける必要はないのではないかと思っています。
人にはそれぞれ得意なことや苦手なことがあります。
不登校経験の有無だけで、その人の生きやすさが決まるわけではありません。
子どもの将来が心配な親御さんに伝えたいこと
子どもが学校に行けていないと、親御さんはどうしても先のことを考えてしまうと思います。
「今のうちに何かしておかないと」「このままでは取り返しがつかなくなるかもしれない」
そんな気持ちになることもありますよね。

でも、私は中学生のうちから、将来の答えをすべて出す必要はないと思っています。
私自身も、最初から自分に合う進路がわかっていたわけではありませんでした。
実際に進んでみて、合わなかったら別の道を考える。
そうやって少しずつ、自分のことを知ってきました。
もちろん、進路について何も考えなくていいということではありません。
親御さんが学校や支援先の情報を集めたり、本人が興味を持ったときに選択肢を伝えたりすることはできます。
ただ、子ども自身がまだ将来を考えられない状態なら、無理に答えを求めなくてもいいのではないでしょうか。
今は休むことが必要な子もいれば、少しずつ勉強や外とのつながりを再開できる子もいます。
その子の状態に合わせて、できることを考えていけたらいいと思います。
そして、親御さん自身の生活も大切にしてください。
子どもの将来を心配するあまり、親が自分の時間をすべて犠牲にする必要はありません。
親子でも違う人間なので、理解できないことがあって当然です。
すべてを親だけで抱えず、学校や相談機関など、周りの力を借りることも一つの方法です。
まとめ|不登校のその後の人生は一つではない

不登校になったからといって、その後の人生が決まるわけではありません。
進学する人もいれば、働く人もいます。時間をかけながら、自分に合った道を探していく人もいます。
私自身、最初に思い描いていた進路とは違う道を歩んできました。
でも、その経験を通して自分のことを知り、今の自分に合った生き方を考えられるようになりました。
もちろん、これから先どうなるのか、誰にもわかりません。
だからこそ、今の状態だけを見て、子どもの将来を悲観しなくてもいいのではないでしょうか。
周りと同じ道でなくても、その子が自分らしく歩ける道を見つけていく。
そんなふうに、少し長い目で子どもの成長を見守っていけたらいいのではないでしょうか。
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運営者プロフィール
管理人:Karan(臨床心理士/発達障害・元不登校当事者)
自身も中学生のころに不登校を経験しました。
現在は臨床心理士として、不登校や発達に関する相談に携わっています。
「ありのまま日和」では、専門的な知識だけでなく、当事者だったからこそ感じることも大切にしながら、不登校の子どもと家族が「自分らしく」歩いていくためのヒントを発信しています。


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